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さすがに会うことはなかなかできなかったが、毎日のように篤くんからメールが来た。
メールを送ったらちゃんと返ってくる。
当たり前のことなのに今の私にはそれすら幸せで……
嬉しくて来たメールを何度も何度も読み返してしまった---まるで高校生のように。
今さらメールひとつで喜ぶことになるなんて思ってもみなかった。
でも些細なメールの内容からも愛情を感じ、嫌なことを全部忘れさせてくれた。
---ある意味、現実逃避しているのかもしれないけど。
それでも私はどうにかこの幸せを続けたくて……
逃したくなくて……
必死になってしがみつくように、その幸せに浸り続けた。
本当は駄目なんだって分かっていても自分からはどうしても切り出せない。
---彼女とはどうなってるの?なんて……
篤くんにそんな重たく嫌な子には見られたくなかったから、私は必死に本音を隠し続けるしかなかった。
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