曖昧な関係

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 何で最後の最後って決めたとき限って、あっさり会えるんだろう。   確かに「会いたい」と言ったのは、あの日以来初めてで偶然かもしれない。  もしかしたら深く考えずに普通に言っていたら思わなかったことなのかもしれないが、変に自分の中で賭けてしまったがために、色々考えてしまうのかもしれない。  ドラマの見過ぎだろうか……  それとも元彼の事があったせいだろうか……  日頃鈍いくせに、こういう時の勘だけはやたら冴えているような気がする。  勿論篤くんの事は信じているし、勘違いだと思う。  でも元彼の事もあっただけに少し勘ぐらざるを得ない自分がいた。 「どうしたん?」  突然視界に理恵の顔が飛び込んできて小さく声を上げ、後ろに仰け反るように身体が逃げる。 「大丈夫?まさか、もう酔ってるの?」  私の反応に驚きながら理恵が笑い出す。  その声に私は一気に現実に引き戻され、自分が飲みに来ているという事を思い出した。 .
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