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都合悪いと"呑みすぎた"、"酔っちゃった"で誤魔化してしまうのは私の悪い癖だと分かっていても、ついソレに逃げてしまう。
「嘘。何かあったでしょ?---篤くんと」
誤魔化せたと思っていた……
気づかれていないと思っていた……
でも意外と見ていないようで、よく見ている理恵には通用しなかったようだ。
驚いて顔を上げると鏡越しに怖いくらい真剣な眼差しを私に向けている理恵と目が合った。
何でバレちゃうんだろう……
何ですぐに"違うよ"って誤魔化しきれないんだろう……
何で……
理恵の強い眼差しが私の中に息を潜めていた弱さを呼び起こす。
せっかく水で洗い流し冷やして抑えたはずなのに、また涙が自然と溢れ出してくる。
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