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でも時間も遅いからと、それから少しだけ話してすぐに家に帰ることになった。
私も何も言わず家を飛び出してきたら気にはなっていたが、そんなことより今は篤くんと居たかった。
でも時間も時間で、すでに1時をとっくに回っていて、そんなことも言えず私は渋々了承するしかなかった。
さっきの待ち合わせ場所まででいいからと言ったのに、危ないからと家の前まで送ってくれた。
家を出たときには点いていた玄関の明かりも消え、真っ暗で鍵が開いているのか心配になったが大丈夫だった。
「おやすみ」
鍵が開いていたのを確認すると篤くんは小さな声で言い、静かに車を走らせ帰っていってしまった。
私は篤くんの車のランプが見えなくなるまで見送り、それから息を潜めながらソッと家の中に入った。
完全に寝静まった家の中を電気も点けず、物音を立てないように気をつけながら手探りで2階の自分の部屋に行く。
途中、何度かラップ音のような軋みがして、起きてこないかと冷や冷やしたが無事、両親を起こすことなく自室に着くことができた。
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