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それから数日経っても篤くんからは何の音沙汰もなかった。
ホッとしたような……
でも少し寂しいような……
自分でもよく分からない感情がぐるぐると渦巻いていた。
ただ……
篤くんにとって"私"という存在がものすごくちっぽけなものだったんだと痛感され悲しさはあった。
でも少しずつ自分ばかりが真剣で馬鹿だったな、と思えるようになってきていた。
それだけでも進歩したと自分に言い聞かせ、少しでも早く吹っ切れるように納得させる。
篤くんと連絡を取っていたときのドキドキもこみ上げるような嬉しさもないけど、不安も苛々もない。
私自身、後ろめたさを感じつつも"彼女"にヤキモチを焼いていた。
それが無くなった分、心が穏やかで気持ち的に楽になったように思えた。
そして何より"持つべきものは友!"とばかりに理恵が気に欠けてくれコマメにメールをくれたり電話をくれたりしてくれる。
それが本当に嬉しくて……
嬉しくて……
笑いながらも涙が零れそうになってしまった。
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