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それでも私は振り返る事も、立ち止まる事もせず真っ直ぐ前を見ていこうって心に誓った。
何かしら理由をつけて篤くんとの繋がりを残そうとしてしまうのが私の悪い癖。
せっかく理恵も親身になってくれているのに、また後戻りして同じ事を繰り返すような事だけは避けたかった。
勿論それが自分の為っていうのが一番の理由。
また恋はしたいと思うけど今はまだいい……
無理に新しい恋を見つけないで自分の気持ちが落ち着いて次の恋にいける準備ができるまで待とうって思った。
篤くんとは本当に短い恋だったけど私にとっては今までにないくらい深いものだった。
それだけに忘れるには相当時間はかかるかもしれないけど、簡単に忘れられるような想いではないのだから仕方ない。
少し時間が経ち自分の中で徐々に気持ちの整理が出来てきたからかもしれないが、これほどまで人を好きになれた自分が何故か嬉しくて……
誇らしくて……
不思議と満足感のようなものを感じ始めていたのだった。
あとは何重もの箱に篤くんへの想いを閉じ込め、気持ちの奥へ奥へと仕舞いこまれていくのを待つだけ。
今の私にはソレができるって何故か思えた。
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