強さと弱さ

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 約束の時間を少し遅れてしまった私は外から店の中の理恵を探しながら入り口へと向かう。  2人で来ているのかな?と心弾ませたが、目についたのは理恵1人だけで、しかも2人席。 「1人か……」  できれば2人揃って、っていうのを期待していたが確かに私は正志くんとはそんなに親しくはないということを思い出す。  でも、どことなく理恵の顔が沈んでいるようにも見え、私は不思議に思いながら店の中へと足を進めた。 「ごめん、遅くなっちゃった」  謝りながら近づく私にボーっとしていたのか大袈裟なくらい驚いてみせる。 「ううん。それよりお腹空いちゃった。何食べる?」  余程お腹が空いていたのか、私が席に着くと同時に理恵はメニューを開き忙しくめくりだす。 「あ、ビールでも飲む?」  私がメニューに目を移し選んでいる側から別のドリンク用のメニューを開き勧めてくる。  ---明らかにおかしいって思った。  確かに理恵はアルコール好きだが平日こんな風にご飯を食べるときは絶対に飲まないのだ。 .
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