第2話

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俺たち、各部屋に戻った。松田くんが、言っていた言葉。 寺下くんが、俺の事が好き。 それは、嬉しい事だ。友達として、好きと言われて。 初めて、だから。だから、俺も直接言わなくちゃ。 部屋に帰ると、リビングに寺下くんが居ると思って居たがおらず。自分の、部屋にいるのだろうな。 コンコンと、部屋のドアを叩いた。 「……何だ」 「さっき、松田くんが言った言葉」 「あれは、その…忘れてくれ。あいつが、勝手に言った嘘だ」 「えっ、あ、うん。ごめん」 心が冷えるのを感じた。それは、それはとても痛かった。 俺が勝手に、友達だと勘違いしてたんだ。転校生だから相手してた、それだけだったんだ。 馬鹿だな、俺。 本当に、馬鹿だ。 泣きそうになるのを堪えて、俺は自分の部屋に戻り、ベッドの中に潜り込んだ。 少し前の自分に戻りたい。何も知らない、馬鹿な自分に戻りたい。 気づいたら、俺は眠っていた。このまま、覚めないまま優しい夢の中に居れたらどんなに…良いだろうか。 目が覚めたら、外は暗くなっていた。お腹は空くのに、どうも食べたく無い。 食欲が、わかない。 けど、シャワーだけ浴びてまた部屋に戻ろう。今、寺下くんの顔を見たくないから。 ホッと安堵した。リビングに、寺下くんは居ない。リビングを通らないと、風呂場には行けないから。 「…や、山田」 ビクッと身体が震えた。 「な、何かな?」 平常心で、冷静に。寺下くんの方を見た。 「い、いや…」 あ、目…そらされた。 冷える心は、痛かった。 馬鹿だな。 そう、誰かに言われたような気かした。
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