第2話

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「美味しいです」 「ああ、美味い」 何だか、照れ臭いけど嬉しい。 「あ、ありがとう」 「山田、今日…遊びに行かないか?」 「ご、ごめん。今日は、用事あるから。でも、誘ってくれてありがとう」 西村くんには申し訳ないが、バイトを探さないと。どんな仕事だってするつもりだ。 パフェの為に。 「わかった」 その後西村くん達は部屋に帰り、俺は出かける準備をした。 ほんの少しだけお洒落…お洒落だよな。よくわからないけど、俺なりのお洒落を着込んだ。 薄水色のパーカーに、黒の膝丈のズボン。パーカーは、サイズが大きかった為か、指先が隠れてしまう。 交換し様にも、値札を切ってしまっていた。色が好きだけど、ぶかぶかだから今までお蔵入りしていた。中2の出来事。 今なら、身長が少しは伸びたはず。もしかしたら、小さく感じる事はなくても、ぶかぶかではないはず。多分。 ……いやいや、おかしい。 身長殆ど、伸びてない…だと。指先が、隠れてしまった。 まあ、いいや。取り敢えず、カバンの中に財布と携帯を入れて、再度確認した。 「うん、大丈夫」 自分の部屋から出ると、リビングで寺下くんがくつろいでいた。 「行って来るね」 「あ、おう。行ってらっしゃい」 ヒラヒラと寺下くんに手を振ってから、俺は部屋を出て、寮からも出て行った。 雇ってくれるかな。一応、携帯で検索した。 色々なバイトがあって驚いた。 寮から近くが良いけどと、考えてたら…レモンが足元に落ちていた。 「…レモン?」 と、思いきや足元には沢山のレモンが転がっていた。 転がっている沢山のレモンを拾い始めた。 「…誰のだろう」 「あら、ごめんなさいね。ありがとう」 上を見上げると、太陽の日差しかその人の所為かはわからないけど眩しく、目を細めた。 「い、いえ」 俺は、拾いあげたレモンを渡そうとしたが、青年の両腕には袋で塞がっていた。 「ウチの店まで、持ってきて貰っても良いかしら?」 「あ、はい」 「ありがとうね」 ニコッと笑う青年に、俺はドキッとした。これが、大人の色気なのだろうか。 俺も、いつかこんな風になれたら何て思ったが、似合わないなと内心苦笑した。
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