第2話

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「私は、野村千智。あなたは?」 「お、俺は、山田純です」 「そう、宜しくね、純くん」 ニコッと笑う、野村さんに俺はドキドキしてばかり。 それにしても、お店ってどんなんだろう。チラッと横目で、野村さんを見たら、目が合った。 思わず、俺は目をそらしてしまった。俺の考が見透かされそうな気がしたから。 「ふふっ」 到着し、店を目の前にして色んな意味で驚いた。 レトロな喫茶店だった。 「どう、私のお店なの」 「す、素敵です!!」 思わず、声が大きくなってしまった。声の大きさに、野村さんは驚いた表情をしたが直ぐに和かに笑う。 「ありがとう。さあ、店に入って」 「はい」 カランッと軽やかに音をたてながら、ドアが開いた。 店の中は、カウンターと数個のテーブル。広くはないが、狭いと思わせるほどでも無い。 客は、数人。女性の方が、やや多いようだ。 店の中で、流れている音楽はテンポがゆったりとしていて、俺は好きだな。何て、曲なのかな。 「……店長、誘拐は犯罪っすよ?」 「うわぁ…流石に引きますわ」 「ちょっ…待ってよ。レモンを拾ってくれただけよ、ね?」 「え、あっ、はい」 「店長…強要はいけないっすよ」 「だから、違うのよ」 彼らのやり取りが、俺は笑ってしまった。 「…純くん」 「あ、ごめんなさい」 「ううん、良いのよ。笑った方が可愛いわ」 「店長、お願いだから…犯罪は駄目ですからね」 可愛いわけが無い。 犯罪? よくわからない。首を傾げる俺に、野村さんは苦笑した。 「中学生に、手を出しちゃ駄目っすよ」 今、何て言った? 中学生って聞こえた様な。いやいや、それは無いわ。 「俺…高校生です」 「「「嘘?」」」 「…………」 ショックで、涙が出そう。
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