第2話

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「あんたら、ウチの外で何やってんねん」 おかっぱのお兄さんは、仁王立ちで言う。 「え、いや、俺らは、「山田を追っかけてきただけだ」 寺下は、俺が言いきる前に言葉を遮る。 「誰やねん、それ」 「あの子ですよ」 松田は、山田の方へ指を差した。 「せやったら、中に入ればえんとちゃうんか?」 入れたら、苦労しないよ。勝手に尾行したのばれるし。 またまた、会ったとも言ったとしても嘘だと見抜かれそう。 「訳ありなんか?」 大した理由ではない。理由すら、ない。 「そうでは、無いんですよ。山田くんが、デート「いやいや、違うから」 KY(松田)、少し黙ろうか。俺は、KYの口を押さえた。 「デート…?相手、見当たらへんで」 怪訝そうに言う、おかっぱなお兄さんに寺下は、山田の相手の人を指差した。 「嘘やろ。あいつ…なんか?」 俺たちは、首を縦に振った。 お兄さんの顔が引きつる。そして、勢いよく店のドアを開け入っていった。 「おい、コラ。犯罪に手だすなや、アホ店長!!!!」 お兄さんの声は、ハッキリと聞き取れた。 慌てて弁解しているのはわかるが、何を言ってるかは聞こえない。 あ、こっちにお兄さんが来て、ドアを全開にした。 「自分ら、勘違いにも程があるで。本人に、直接聞いたらえんとちゃう?」 アホらしいと、お兄さんは呟きながら店の奥へと行ってしまった。 「あ、あれ…どうしたの皆?」 苦笑している山田。 ふと、気付いたら寺下が山田のとこまで行っていた。 「あの男とデキてるのか?」 山田は、目をパチパチさせる。 「俺と野村さんが?」 頷く寺下。山田は、クスクスと笑い出した。 「ち、違うよ。レモンを拾って、お店まで持って行っただけだよ。野村さんとは、さっき知り合ったばかりだよ」 山田から、嘘は全く見えない。 「本当なのか?」 寺下は睨むように、相手の方を見る。 「そうよ…」 野村さんと、山田から呼ばれているお兄さんは疲れたかのように言う。
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