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「今日は、これくらいで。明日から、来て頂戴ね」
「はい、わかりました」
山田はニコッと笑い一礼してから、お店を後にした。俺たちは、山田の後を追った。
「や、山田」
「何かな?」
「あと追った事怒ってるのか?」
山田は、寺下の言葉にポカーンとしていた。
「え、何で?俺、怒ってないよ」
ホッとする寺下。
「でも、何で追っかけて来たの?」
「デートとだと思ってつて来たんですよ、ね?」
「ああ」
パチパチと瞬きをする山田。
「デート…。誰と?まさか…野村さんと?」
頷く寺下と松田。俺は苦笑した。
「それは、無いよ。野村さんに失礼だよ」
あっけらかんに笑う山田。それにと、付け加えてこう言った。
「明日から、そこの喫茶店でバイトとして働かせ「駄目だ」
山田が言い切る前に、又しても寺下が言葉を遮る。
「学校はどうする?」
「学校終わってから、週3回」
俺は、何となく寺下が言いたいことがわかった。が、KYは、空気なんて読めていなかった。
「正行くんは、山田くんが好きなんですね」
その言葉に、寺下は顔を赤くして寮の方へ逃げて行った。
残された、俺たちは、いや…山田はポカーンとしていた。
「山田…?」
「え、あっ、何かな?」
「いや…」
内心俺は、溜息を吐いた。
色々と、疲れた。
【Side end】
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