第1話

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部屋は2人で一部屋。残念ながら、西村くんとは別。クラスの人が、必ず相手になるとはないらしい。 それでも、西村くんは俺の部屋の隣らしい。ホッとした。 相部屋の人、どんな人か少しいや、かなり不安。 でも、今日から3年間同じなんだから仲良くできるだろうか。 相手次第だが。 「それじゃ、またな。夕飯の時間になったら、呼びに行くから」 「ありがとう。またね」 何かなにまで。世話になりっぱなしだな。今度、お礼したいな。 ああ、緊張するな。 インターフォンを押した。鍵あるけど、なんか入りづらくて。 つい、押してしまった。 ガチャッと音がし、ドアが開く。 「…お前か」 「よ、よろしくお願いします」 思わず、敬語。 「中に入れ」 「は、はい」 相部屋の相手は、俺より頭は一つ分小さい。けど、態度はデカイ。 でも、顔は可愛い。 「寺下 正行。お前は、山田純 だな」 コクッと俺は頷いた。 「部屋の説明だ。俺にもお前にも各部屋がある。キッチンやトイレ、風呂は共有。ここが居間。で、聞きたい事は?」 「な、無いです」 「よし、よろしく」 「よろしくお願いします」 何故、敬語かはわからない。けど、どうでもいい様な気もした。 俺の部屋の中には、段ボールが数個置いてある。小泉さんか、寺下くんのどちらかかな。 あとで、お礼言わないと。 段ボールの中身を確認しながら、俺は『一つ』だけ、こっそりとクローゼットの中に中を出さずに入れた。 ばれたら、色々厄介だから。 夕食時になるまでに、寺下くんが手伝ってくれたおかげで一通り段ボールの中は空になった。 ひとりだったら、もっと時間掛かってたかも。それどころか、面倒事が苦手な俺は、そのまま使ってたかも。 「ありがとう。本当に、助かったよ。俺一人じゃ、こんなに早く片付かなかった。本当に、ありがとう」 「お前って…ストレートなんだな」 何がと首を捻った。俺は、球種なんて持ってない。 それどころか、野球をした事無い。 ふとインターフォンが、鳴った。 多分、西村くんだと思い、俺は勢いよく開けた。
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