37人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋は2人で一部屋。残念ながら、西村くんとは別。クラスの人が、必ず相手になるとはないらしい。
それでも、西村くんは俺の部屋の隣らしい。ホッとした。
相部屋の人、どんな人か少しいや、かなり不安。
でも、今日から3年間同じなんだから仲良くできるだろうか。
相手次第だが。
「それじゃ、またな。夕飯の時間になったら、呼びに行くから」
「ありがとう。またね」
何かなにまで。世話になりっぱなしだな。今度、お礼したいな。
ああ、緊張するな。
インターフォンを押した。鍵あるけど、なんか入りづらくて。
つい、押してしまった。
ガチャッと音がし、ドアが開く。
「…お前か」
「よ、よろしくお願いします」
思わず、敬語。
「中に入れ」
「は、はい」
相部屋の相手は、俺より頭は一つ分小さい。けど、態度はデカイ。
でも、顔は可愛い。
「寺下 正行。お前は、山田純 だな」
コクッと俺は頷いた。
「部屋の説明だ。俺にもお前にも各部屋がある。キッチンやトイレ、風呂は共有。ここが居間。で、聞きたい事は?」
「な、無いです」
「よし、よろしく」
「よろしくお願いします」
何故、敬語かはわからない。けど、どうでもいい様な気もした。
俺の部屋の中には、段ボールが数個置いてある。小泉さんか、寺下くんのどちらかかな。
あとで、お礼言わないと。
段ボールの中身を確認しながら、俺は『一つ』だけ、こっそりとクローゼットの中に中を出さずに入れた。
ばれたら、色々厄介だから。
夕食時になるまでに、寺下くんが手伝ってくれたおかげで一通り段ボールの中は空になった。
ひとりだったら、もっと時間掛かってたかも。それどころか、面倒事が苦手な俺は、そのまま使ってたかも。
「ありがとう。本当に、助かったよ。俺一人じゃ、こんなに早く片付かなかった。本当に、ありがとう」
「お前って…ストレートなんだな」
何がと首を捻った。俺は、球種なんて持ってない。
それどころか、野球をした事無い。
ふとインターフォンが、鳴った。
多分、西村くんだと思い、俺は勢いよく開けた。
最初のコメントを投稿しよう!