第1話

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食堂の中は、思っていた以上に広い。 適当に席についた。隣に、西村くん。前に寺下くん。 メニュー見て、どれにしようか迷った。どれも美味しそいで困った。 「な、何がオススメかな。どれも美味しそいで、迷っちゃって」 「俺は、和食なら何でも美味いと思う。特に、カレイの煮付けが絶品だな」 うんうん、美味しそう。 「いや、カレーだろ」 カレー大好物です。でも、カレー違いでカレイも気になる。 「ぼくはですね、特大パフェです」 「デザートだろ。夕飯は?」 「オムライスです。でも、ここのパフェは食べ損は無いですよ。殆どが、自家で作られてるんですよ。特にバニラアイスの甘さが堪らないです。癖になっちゃうくらいかに、美味しいんですよ」 うわぁ、食べたい。甘党な俺は、もう夕飯よりも、パフェに心が惹かれていた。が、その気持ちすらやや萎えさせられた。 とある集団によって。 ガチャッと扉が開いた途端、野郎の野太い悲鳴が食堂中を響かせた。鼓膜、破れんばかりに。 「食欲失せた。悪いが、帰る」 「俺も、帰ろうかな。山田は?」 正直、煩い所が苦手な俺は堪え難い。パフェは食べたいが、美味しいはずのパフェを無駄にしたく無い。 だから、諦めよう。 今度、自分で作ればいいだけ。アルバイトして、お金を貯めて。 そうだ、その時松田くんに食べて貰う。感想とか、アドバイス貰いたいし。 それにしても、彼らは一体誰なんだろか。気になるけど、関わる気は毛頭ない。 悪い予感しか無い。 バイバイ、俺のパフェ。 「またな、お休み」 「お休みなさい。西村くん、松田くん」 「はい、お休みなさい」 「うわぁっ」 松田くんは、俺と寺下くんに抱きつく。西村くんは、苦笑するだけ。 「離せ、馬鹿。…休み」 部屋に入ろうとした途端、寺下くんによって阻止された。 「ここはお前の家でもあるんだから ただいま だろ?」 「うん」 嬉しい。俺を受け入れてくれた、そんな感じがして。 「た、ただいま」 「お帰り」
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