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食堂の中は、思っていた以上に広い。
適当に席についた。隣に、西村くん。前に寺下くん。
メニュー見て、どれにしようか迷った。どれも美味しそいで困った。
「な、何がオススメかな。どれも美味しそいで、迷っちゃって」
「俺は、和食なら何でも美味いと思う。特に、カレイの煮付けが絶品だな」
うんうん、美味しそう。
「いや、カレーだろ」
カレー大好物です。でも、カレー違いでカレイも気になる。
「ぼくはですね、特大パフェです」
「デザートだろ。夕飯は?」
「オムライスです。でも、ここのパフェは食べ損は無いですよ。殆どが、自家で作られてるんですよ。特にバニラアイスの甘さが堪らないです。癖になっちゃうくらいかに、美味しいんですよ」
うわぁ、食べたい。甘党な俺は、もう夕飯よりも、パフェに心が惹かれていた。が、その気持ちすらやや萎えさせられた。
とある集団によって。
ガチャッと扉が開いた途端、野郎の野太い悲鳴が食堂中を響かせた。鼓膜、破れんばかりに。
「食欲失せた。悪いが、帰る」
「俺も、帰ろうかな。山田は?」
正直、煩い所が苦手な俺は堪え難い。パフェは食べたいが、美味しいはずのパフェを無駄にしたく無い。
だから、諦めよう。
今度、自分で作ればいいだけ。アルバイトして、お金を貯めて。
そうだ、その時松田くんに食べて貰う。感想とか、アドバイス貰いたいし。
それにしても、彼らは一体誰なんだろか。気になるけど、関わる気は毛頭ない。
悪い予感しか無い。
バイバイ、俺のパフェ。
「またな、お休み」
「お休みなさい。西村くん、松田くん」
「はい、お休みなさい」
「うわぁっ」
松田くんは、俺と寺下くんに抱きつく。西村くんは、苦笑するだけ。
「離せ、馬鹿。…休み」
部屋に入ろうとした途端、寺下くんによって阻止された。
「ここはお前の家でもあるんだから ただいま だろ?」
「うん」
嬉しい。俺を受け入れてくれた、そんな感じがして。
「た、ただいま」
「お帰り」
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