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2088年8月。
風『そっちの料理は三番テーブルに運んでくれー』
スタッフ『はーい。』
ここは海賊レストラン『ブラックパール』
オーナーがパイレーツオブカリビアンという映画の大ファンで店を海賊船のようにした、バイキング形式の店だ。
風はここでコックをしている。
オーナー『風、最近休んでないだろ?』
風『えぇ。でも楽しいですから。』
この店が雑誌に紹介されてから店は大繁盛をして、責任者の風は休んでる暇がなかった。
オーナー『仕事終わったら、社長室に来てくれるか?』
風『はい、わかりました。』
そう言うとオーナーは厨房から出ていった。
風『ピラフ出来だぞぉー』
スタッフ『はーい。』
この日も昼から忙しく仕事が終わったのは閉店してから一時間後だった。
スタッフ『風さん。今日もお疲れさまでした。』
風『みんなもお疲れさま。』
仕事着を脱ぐこの瞬間が好きな風。
スタッフ『今日みんなで飲みに行くんだけどいきます?』
風『わりぃ。社長に呼ばれてんだ。』
スタッフ『新メニューか何か出すんですか?』
風『さぁ?でも悪い話じゃなさそうだよ。』
そしてみんなが帰り、風は社長室にむかった。
(コンコンッ)
オーナー『風か。入っていいぞ。』
風『失礼します。』
社長室の中には、ほとんどのスタッフが入った事がない部屋だ。
中には海賊船の模型や剣、などがたくさんあった。
オーナー『お疲れさま。』
紅茶を入れて風に出す社長。
なんだか自慢気な顔だった。
風『すごいコレクションですね。』
オーナー『そうか?まぁいろいろ集めた。』
さらっと言っているが内心はとても嬉しそうだった。
風『これがレストランのモデルになった船ですか?』
部屋の真ん中に飾られている大きな黒い船。
オーナー『そうだ。風は映画を見たことないのか?』
風『えっえぇ。どうも苦手で。』
オーナー『一度は見た方がいいぞーおもしろいし!』
風『今度、見てみますね。で、何か話があるんじゃないですか?』
オーナー『おぉ、そうだ。この店が雑誌に載ってからの1年。風は休んでないから、休みを2ヶ月ほどあげようと思うんだけど、どうだ?』
風『2ヶ月もいいんですか?』
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