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「それで、武はいつ告白すんの?」
「しないよっ!今告ったって振られるだけじゃん!」
いきなり、光一がニヤニヤして、からかいながら言ってきたので、僕は勢いよく、言い返した。
「どうせ、いつ告ったって変わらないんだから…じゃあ、いつやるか?」
「今で…ってなに言わすんだよ!」
「まぁまぁ…でも、告って玉砕したら、今までなんとも思わなかった女の子をいきなり、意識し出したりするんだよ。」
「玉砕前提なのな…」
わかっていることだが、声に出して言われるといい気はしない。
「当たり前じゃん!俺、武がOKもらえるなんて、これっぽっちも思ってないから。」
自信満々の顔で光一は言ってきた。光一の言うことは、基本はずれることが多いのだが、こればっかりは僕も否定はできない。
光一の言うことにも一理あると思った。高校3年間、一度も彼女ができないなんて絶対嫌だし、このまま何もしなかったら、前には進めない…
「光一、俺、決めた!谷中さんに告白するよ!」
「えっ?まじで?いつ?」
光一は意外そうな顔をして僕を見た。光一にとっては、今日もいつものように冷やかしていただけなのだろう。
「今日の放課後にでも、屋上に呼び出してする。この気持ちがなくならない前に…」
「そうか…お前、緊張すると、言葉でなくなるから、リラックスしていけよ。」
「おう。わかった。」
そう言って、僕は自分の席に戻った。
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