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放課後、一時間だけクラスマッチの練習をし、私達は正門に集まる。
アランのしごきに、舞も結も悲鳴を上げていた。正門前にはすでに花菻高校の流星達が来ていた。
「おせーぞ」
「ごめん。クラスマッチの練習してたの」
「クラスマッチ?鈴蘭女学院ってブルマ?」
ブルマなわけないでしょ。
ジャージか短パンだよ。
ハシャイでいる横田君。今日もテンションマックスだ。横田君の隣で山野君は参考書を広げている。
舞も結もお目当ての彼に、興奮ぎみだ。
流星と愛梨奈を二人にしたくて、私は一歩後ろに下がる。オレンジ色の夕陽に染まる六人の後ろ姿を見ながら、急に寂しくなった。
「こら、美希。何一人で黄昏てんだよ!」
「黄昏てないよ」
「バーカ、泣きそうな顔すんじゃねぇ。こっちに来い」
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