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トイレに入った美優ちゃんは、十分経っても三十分経っても、トイレに隠ったまま出て来ない。
さすがのママも痺れを切らし、トイレに様子を見に行く。何やら二人で話しているが、会話はリビングには聞こえない。
ママの後ろに隠れるように、美優ちゃんは部屋に戻って来た。
「美優、赤ちゃん出来てたんだよな!」
海ちゃんが嬉しそうな顔で、美優ちゃんに問い掛けた。パパの眉がピクリと上がる。
「ごめんなさい」
ごめんなさい?
えっ?ごめんなさい!?
「海ちゃん、どうやら美優は生理不順だったみたい。妊娠の反応は出なかったし、それに…今始まったみたいなの」
「今、始まった!?」
美優ちゃんは恥ずかしそうに俯き、海ちゃんに目で合図した。
「パパ、今の話忘れて」
「はぁー!?」
パパは怪獣みたいに、火を吹いた。
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