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流星にグイッと腕を掴まれ、三人で並んで歩く。完全に私はお邪魔虫だ。
愛梨奈はずっとはにかんでいて、流星が話し掛けるたびに、頬はほんのりと桜色に染まる。
本当に可愛いな。
頭にティアラを乗せたら、本当にお姫様だよ。
みんなで渋谷に行き、カラオケJJに向かう。予約していない私達はフロアで少し待たされた。
「あっ!?」
横田君は窓ガラスにへばりつき、外をガン見している。
愛梨奈も同じ方向に視線を向け「あっ」て小さな声を発した。
「俺の彼女!」
横田君の視線の先には、歩道を仲良くあるく中学生のカップル。
「あれ空君じゃない?」
「うん、空だよ。彼女とデートかな」
「か、かのじょ!?」
横田君はカラオケ店を飛び出し、二人と何やら揉めていたが、がっくりと項垂れて戻って来た。
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