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私の手から落ち、コロコロと床を転がるジュース。陳列棚の前で止まったジュースを、大きな手が掴む。
…アラン!?
「美…。葉月」
「滝沢先生、どうしてここに?」
「友達の家が…この近所なんだ」
「そうですか」
「こんな時間まで、何をしていた?」
「…別に」
「制服のままで繁華街をフラフラしていると補導されるぞ。それに早く帰らないと夜道は危ないだろ」
「わかってます」
カラオケで補導なんてされないし。夜道には明々と街灯がついている。
「葉月…」
私はアランの手から缶ジュースを奪い取る。
「滝沢先生、私に干渉しないで。学校以外のことは滝沢先生には関係ないよ」
走り去ろうとした時、アランが私の手を掴んだ。掴まれた手はジーンとし、熱を放つ。
鼓動は高鳴り、感情が昂る。私はアランから視線を逸らす。
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