始まり

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「まあ、そういう訳で、行ってくれ。」 どういう訳ですか。 長期任務を終えて久しぶりに帰宅したらトラに呼び出された。 自室に戻ってシャワー浴びてテレビ見てたら呼び出されて、長々と昔話されて……。 挙げ句、竜の血を持つ子ども達が生きてるらしい。 この国の子どもが通う学園に探しに行けと。 なにゆえ。 なぜ私。もっと適任な人が居るだろうに。 「どうして私なんですか。」 「お前しか出来ないからだ。」 うそーん。 なんでだよ。私しか出来ないってそれ、私がたまたま居たからでしょ。 政府に早く調査しろって急かされてるけど誰も居なくて、どうしたもんかと悩んでる所に私が帰って来ただけでしょ。 めんどくさい…けど行くしかない。 ここに居たってどうせ暇なんだろうし…でも『学園』はなあ…。 仕方ないか。 「分かりました。行きます。」 渋々頷くと、トラは「よろしく」と笑った。 * 長い廊下を部屋に戻って準備をする。今度はどのくらいになるのかな。 ……ていうか。 『子供』の定義って何? 何を持って『子供』とするの? 何千人も居る生徒の中から何の手掛かりもなくどう探せと。 無茶言うなっつの。
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