第1話

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「だって、武ちゃんが無視するから」 そう言って、チラっと武ちゃんを見た。 「んっとに、すんげぇ我儘。悪いのは、お前のくせに」 「そうだけど…。武ちゃんは巨乳が好きなの?」 「い、いや、そういうわけじゃねーけど…って何でお前に本気で答えなきゃなんねーんだよ」 なんて焦って。やっぱり巨乳好きなんじゃん。 あたしだって!Aカップから、Bカップに昇進したんだよ!?もう少ししたらCカップに…多分なるもん。まだ、Bカップのブラが大きい気がするけど。 ふんっ、って顔を背けたあたしに、はあー、と大きな溜息をひとつ。 それを見て、あたしの胸のモヤモヤは更に大きくなった。 「お前、最近変。何かあったか?」 今度は、心配そうな顔をして覗き込んできた。 変。あたしだって、そう思う。 武ちゃんは、近所に住む従兄のタツ兄の友達。 初めて会ったのは、10年前だった 意地悪するタツ兄と違って、優しい武ちゃんが大好きで。 いつも遊んでもらって。だから武兄ちゃん、なんて呼んでた時期もあったくらい。 武ちゃんは、いつも女の人を連れて歩いてるんだ。 だけど今までなら、武ちゃんが誰と遊んでいても。
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