Four years ago 井ノ山 響

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響の目が見開いた。 私みたいな恋愛初心者が言っても説得力が無い、けど。 甘い、口づけしか知らないし。 花の香るような、時間しか知らない。 痛みは伴うし、涙は出るし、まぁ異物の感覚は拭えないけど。 響は体で求めちゃったのかもしれない。 相性の良い身体は、手放せなくて、欲しくて。 だから怖いのかも。逃げちゃうのかも。 ――それが、自分を飢えて醜く感じさせても。 「嘉山狼と会いたい?」 「会いたいわけねーだろ!!」 「……へぇ、そう」 「そら、頼むからコレを」 「嫌よ。今行っても、響だけじゃない。お兄さんだって傷つくよ?」 私の言葉に苦い顔をした。 だから私は、響の隣に沈むように座る。 「本当に私たち、言葉が足りないよね」 言葉が足りなくても、分かり合えるぐらいの距離じゃないのに。 「ちゃんと、全部話そう。そうじゃなきゃ、あの時ああ言えば良かった、もっと気づけば良かった、とか後悔の繰り返し」 「そら……」 「ごめんね。愛情が欲しくて、響の考えてる事も考えないで一方的に愛して」 「違う! そら、俺はちゃんと!」
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