Four years ago 井ノ山 響

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「じゃあ、お前たち、早く落ち着いてくれよ」 頭をポンポンと叩かれて、納得してしまった。 ああ、なるほど。世話を焼いてしまう性格の静也くんなら、こんな不安定な私たち、放っておけないよね。 「おかえりなさい、そら。一緒にお風呂入りましょう」 「…………」 「わー! 閉めないで! 家に入って来て下さい」 家のドアを開けた瞬間、バスタオルを持って待ち構えていたお兄さんを見て、ソッとドアを閉めた。 ……帰って来るのを待っててくれてたのは、自分が安眠したいからか私が心配だからか。 「そ、の、せっかくそらと恋人になれたのに、バタバタしてイチャイチャできなかったじゃないですか」 「恋人……?」 「あ、婚約者でしたか?」 イマイチ、ピンと来てなかった。 だって、あの女に苛々したし、 まだ私、未練たらたらだし。 「とりあえず、全て1回洗い流しましょう」 「いや、一人で入りたいけど」 「…………」 「…………」 お兄さんの綺麗な笑顔がそのまま近づいてきた。 逃げる暇もないぐらいに。image=478201425.jpg
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