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「じゃあ、俺は風呂に入ってくっから」
ワインを1本飲み干すと、静也さんは立ち上がった。
「いや、まじ、これ外してくれよ」
聖さんに、静也さんの部屋に放り込まれて早数時間。
本当に手ぇ痛くなってきた。同じポーズは疲れる。
しかもさっきまで俺をほったらかしてバイクで出掛けてた癖に。
「今外したら、あの嘉山っていう工口親父の所に行くんだろ?」
「――行くしかねぇだろ。だって、そらの荷物とか事務所の社長とか」
「お前の行動パターンはお見通しだな」
静也さんが不敵な笑いを浮かべるからちょっとムッとしてしまう。
そのままTシャツをその場で脱ぎ出して、箪笥から服やら出し始めた。
俺だって筋肉ついてるし、そこらの男よりは体格良いと思ってたんだけど、静也さんとかは骨の太さからして違うよな。顎髭とか俺、あんな風に生えないし。
「何をじろじろ見てんだよ。俺の裸を」
「なっ 見てねーよ! 睨んでたんだよ! 早く外せって」
海老みたいに動くと、静也さんはちょっと笑ってから真顔になった。
「そらちゃんは酔うと吐くし泥酔するし、聖は甘えて抱こうとしてくるが、――お前が一番手に負えないな」
「は?」
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