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授業中なのか、教室がある階の廊下が静か。
「……授業終わりまで後10分かw次の授業って物理だっけ?www」
10分って…SHL前から呼び出しくらって1時間説教受けてたのか。
「生物だよ~。……今日は週一ある解剖の日だよ~」
「あー、あれねー。楽しんでるのってカワセンだけだからなwww」
うっとりしながら解剖してる先生に恐怖だよあれ。
ひーちゃんなんか顔真っ青だし。
「見せられるこっちの身にもなってほし~ね~」
二人で廊下の窓際の壁際でしゃがんで喋っていると、終業のチャイムがなった。
教室の中からガタガタと椅子が動いた音がしたかと思えば甲高い悲鳴が聞こえた。
「まさか!?イチセンが藤堂に何かしたのか?!www」
目を見開いて教室の扉の小窓に張り付く馬鹿一名。
てか、俺と二人なのに編入生を苗字呼び?宇宙人とか編入生って呼んでたよね?
いつからそんなに親しくなったんですかねー?
「おおっ!!wwwイチセンが藤堂の頬に手を添えてものすげーフェロモン放出しながらなんか言ってる!!wwwあれか!会えない時間が長かった分、放課後に可愛いがってやるからなとかなんとかぁ?wwwぐはっ!!ほっぺにチューだと?!藤堂の顔が伊勢海老の様に茹で上がってる!!wwwイチセンナイス!!wwwって、こっちみただと?!wwwちょwwwずんずんとこっちに来てらっしゃるwwwうぎゃあ!!」
「うるせぇんだよ!」
騒いでる馬鹿は扉を開けたたっくんに教材で頭を叩かれた。
ざまぁ。
「酷い……www資料集で叩かなくてもwww」
「授業が終わってるとは言え騒ぐなアホ。周りの教室からも何事かって見てるだろうが」
みんな、なっつんが騒いでるとわかったら頭を引っ込めてるけどな。
「イチセンがまともだと!?あいたぁ!!」
またもやたっくんに叩かれてるなっつん。
うん、二人のコントはスルーして移動教室の準備するか。
なっつん達がいる扉とは反対の扉から教室に入った。
席に戻るとすぐ様、彩ちゃんが机に頬杖ついてこっちを向く。
「帰ってきたのか。風紀に呼び出されるとかなにしたんだよ」
「ん~?木を倒した~」
「……は?」
意味がわかってない彩ちゃんをスルーして生物の教科書を引っ張り出す。
「湊ー、だいじょうぶだったー?」
「ひーちゃ~ん!俺の癒し~」
生物の教科書とノートと筆記用具を持って駆け寄って来たひーちゃんをハグ。
慌てるひーちゃんが可愛いわ。
そして、いい匂いする。
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