終話ー静かな脈動ー

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「もうその辺にしておけ、虎太郎、銀閣。」 「「……はい。」」 金閣の歯止めがなければ、二人は屋敷の部屋を数戸壊していただろう。 二人が渋々和室に戻って来た時、奥の襖がユックリと開き、一人が出て来た。 「クスッ、本当に元気ねぇ二人共。」 現れたのは、灰色の髪に金色の瞳。『ゼン・シエラゴ・コロン』の偽名を使っていた【縦氏 沙耶】だ。 「あ、ゼン…じゃなくて沙耶。」 「沙耶姉ぇ、銀姉がイジメてくる~!」 銀閣は慣れない名前に思わず噛みそうになる。 (虎太郎の適応の早さには驚く) 虎太郎をある程度慰めた所で沙耶も寛ぐべくその場に座る。 銀閣は思い出したように口を開く。 「そう言えば、多分今頃は竜輝があの新しく幹部になったルディとかいう女に私達の“本当の計画”を話してるんじゃない?」 「驚くだろうな~あのヤンキー女。僕も最初に聞いた時はマジで一週間寝れなかったモン。」 虎太郎のイタズラっ子のような笑顔に沙耶もフッと笑う。 「本当、あの時の虎太郎はまだお子ちゃまだったもんね?」 「今もだけどね。」 「うわーーんっ!また銀姉が僕をイジメるんだぁ~!」 「アンッタ、さっきの威勢の良さは何処行ったのよ!?」 今度は金閣ではなく、沙耶が収めた。 呑気に日常を送る幹部、はたから見れば楽しそうに見えるだろう。 …まぁ実際の所楽しいのだが、彼らには途轍もない豪業を成し得ようとしているのだ。 いつも、心の何処かに『闇』を埋めて、今日という非・日常を送っているのだー…
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