カリブ

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「成る程ディアドーラの手には負えん訳だ。」 ブラッドストーンは煙草を甲板に投げ捨てた。 「俺の積み荷は何かとヤバい代物が多くてね、輸送費用は莫大なものだ。マティス海運の売り上げの6割5分がラピスラズリ号の稼ぎになる。荷主も俺には金を払うのさ。」 ブラッドストーンがマティス海運のエースである事は知っていたが、6割5分というのをピローは初めて知った。 「君は使えると思っている。マティスがよこしたくらいだからな。」 「では、私にも銃を頂けるんですね。」 これがピローの新たな船出への決意表明であった。 「マーロンから渡す。今夜は寝るがいい。海賊はもう来ない。」 ラピスラズリ号は月明かり導かれながら、漆黒の大海原を切り裂いて行く。
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