カリブ

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しかし海軍が民間の貨物船に乗船して武装したり、高性能レーダーの搭載義務化、乗船職員の航行中の監視、貨物情報の徹底した機密管理、港の不審船調査など、海賊対策が強化されてからジョン・ブレーカーは忽然とその姿を消した。それから10年、2ヵ月前の軍事兵器輸送船襲撃の失態である。 「奴が帰って来たのか。」 イアンノーネのその言葉にもブラッドストーンは 「奴が黒幕なら武器は別の海で使うだろう。そうまでしてカリブ海にこだわる理由はない。」 として流し、手にしていたコーヒーカップを彼に渡すと、いよいよ出港準備にとりかかった。 ラピスラズリ号に海軍の警備はつかなかった。同じ海域を航行する別の貨物船に配備されたので周辺の援護が可能な為、とされた。
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