偽録

11/138
前へ
/138ページ
次へ
 代々伝わる陰陽師の家系である東條院家の中で、これ程までに才能に恵まれなかった者はいない。  本当は東條院家の血筋を引いていない。  異端の子、忌み嫌われし子。  様々な誹謗中傷と言われのない暴言は、私が16になって尚続いた。  だからこそ、と言うべきなのだろうか、それとも、それをきっかけにと言うべきなのだろうか。  私は私を嘲笑った皆を見返す為に、使い魔召喚の儀式を成功させ、人に害を為す妖怪を討伐してやると、そう思っていた。
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加