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私、東條院 奏は代々伝わる陰陽師の家系である。
陰陽師とは、陰陽寮に属した官職の一つで、天文学や暦学、易学や時計等を管掌した職ではあるが、私の家系の場合、いや、私の家系以外でも当て嵌まる事なのだが、その一般的な職以外の、別の顔が存在した。
それは、街や人々に危害を加える妖怪達を退治するという、いわば妖怪退治を生業としていたのだ。
人に害を為す妖怪達を滅し、街に平和を齎す陰陽師。
私は、代々伝わる陰陽師の家系に生まれた事に対し、誰よりも誇りに思い、いずれ私も、陰陽師の一人として、人々を救いの手を差し伸べる存在になる事を夢見ていた。
そう、夢を見ていたのだ。
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