偽録

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「……己の力を示し、我の願望を叶えんとするなら、我の言葉に応えよ!!」  そして、妖怪と盟約を交わし、使い魔として使役する為の術式を唱え終えた奏の視界には、淡い光で覆われ、視界を埋め尽くした。  今回は以前と違い、良い反応を示している。  今日こそは成功したかもしれない。  そんな淡い期待を胸に、光が収まるのを今か今かと待ち侘びる奏の耳に、獣の鳴き声が聞こえた。 「……え?」  その鳴き声がなんなのか、それを確認する前に、光の中から黒い物体が飛び出し、奏に襲い掛かってきた。
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