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―――チュンチュン―――
優しい光と共に鳥の囀ずりにより瞼がそっと開く。ひんやり冷える部屋の中で身体は温かく目の前の肌をぼんやりと見つめた。
雷牙に腕枕をされ抱き締められている。あの後、深夜まで求め合いそのまま寝てしまったのね私。
昨夜は久し振りに本心から欲が芽生えた。あんな風に誰かを求める事なんて今までなかったから何だか歯痒い。
余程雷牙が上手だったのか、それとも私が欲求不満なだけだったのか。分からないけれど、満たされる様なセックスだった。
雷牙の腕から逃れ、身を起こそうとした矢先。腕を掴まれ再び腕に閉じ込められてしまった。
「起きてたの?」
「今さっき起きた」
雷牙はぎゅっと私の身を抱き締める中、頭へと頬擦りする。こんな風に誰かの腕の中で過ごすのも久し振り。
一緒に寝る事はあっても腕枕とか苦手だから、避けて寝てた。昨夜は何度も肌を重ねたからきっと疲れて眠ってしまったんだわ。
「…今何時かしら」
「さあな。今日は休みだろ。時間なんか気にするな」
雷牙はまるで私の事を愛おしむ様に額へとちゅっとキスを落とした。
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