過去との葛藤

7/14
前へ
/38ページ
次へ
「落ち着いたか?」 「ええ、もう大丈夫」 雷牙は私の身体をそっと離した。抱擁で落ち着かされるなんて、私らしくないわよね。 それも相手は雷牙。私を変えた張本人なのに、その雷牙によって落ち着かされるなんて、本当どうかしてる。 「腹減ってるだろ。何か作るな」 「いいえ、もう帰るから要らないわ。有難う」 「…そうか。送ってく」 「一人で帰れるから大丈夫」 「駄目だ。送る」 「…有難う」 雷牙は立ち上がりクローゼットから服を取り出すと、その場で着替え始めた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1477人が本棚に入れています
本棚に追加