12人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴方も柚木家の暗部についてお知りになっていたのですか?」
「オレは有栖と同人格だった頃の話だ。アイツの知っている事以外は関知していない」
「靫さまもやはりショックを受けられたでしょう?」
「多少はな。柚木家も胡散臭い家族だったから・・・柚木聖太郎がオレを犯した時、確かに霊力を渡された事は確かだが、魔の力も同時に受け取った感覚がある。
オレがミカエルだったらどうする?お前も闇に落ちるか?一緒に・・・」
「貴方がそう命ずるなら・・・」
「十六夜や白兎、有栖を手にかける様な事になっても・・・」
「言ったでしょ、貴方自身が・・・私は貴方の下僕だと。その覚悟はとうの昔にできています」
「光の天使、ミカエルが若で、闇の堕天使ルシフェルが靫様でも私は迷わず堕天しますよ」
「神に背いても?仏の道に反しても・・・」
「私にとって貴方が神であり、仏に道なのだから」
黒兎は靫を引き寄せて唇を落とした。
「んん・・・」
靫の声にならない声が黒兎を煽る。
「靫様、地獄の果てまでお供しますから・・・今は私に全て委ねて下さい」
熱い囁きが耳をくすぐる。
「ああ・・・良いだろう。お前は一生僕の下僕だ。放してやるものか」
「今夜は貴方を放しませんから」
「ああ・・・お前の好きにしていい」
靫の身体を貪る黒兎の頭をギュッと抱きしめた。
「本当にはしたない皇子様だ」
二人はそのままベッドに深く沈みこんだ。
最初のコメントを投稿しよう!