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「勝手に部屋に入ってくるなよ、ノックもなしで」
「ああ、これは失礼。殿の恋人でいらっしゃるんでしたね」
「殿も一緒にどうです?黄泉の国へ行きませんか?」
「有栖は行かせないよ」
「そうですか。それは残念」
「黄泉は魂のある所。父上も母上もあっちにいるよ」
「答えは出たか?十六夜」
勝手に部屋に入ってきて唐突に質問をしてくる。
「あの、まだ『どうぞ』って言ってないけど」
「ああ、すいませんねぇ。有栖の魂の気配がしたものだから」
『七夜、僕を殺したいか』
『まァね。でもこんな美しい色の魂を見るのは初めてだな。俺が喰おうかな』
「ふざけるな!そんなことしたら俺が許さないぞ」
「魂を喰らうのは悪魔の常套だぞ。有栖の魂は特別美味だろうよ」
『柚木家が無くなればいいのか?ボクが死ねば満足か?』
『俺の目的は80%くらい完了しているんだよね。聖太郎とジジィを殺せば結構すっきりいしているんだけど・・・ついでに柚木家も手に入れて金もうけして。
日本も陰で動かしやろうと思ったんだけど、君たちに阻止されちゃったしね』
『ボクじゃなくて靫で目的果たせるんじゃないの?』
『有栖、俺はお前が好きなんだよ、腹黒い靫よりも・・・分かりやすいし、なんせ魂がこんなにきれいなんて・・・靫は俺なしで俺の野望を成し遂げようとしてる。気に入らない。黄泉の王は俺だ。魔物に侵食された天照なんて反吐が出る』
『兄さま』
『やっと呼んでくれた。小さい時は俺の後を「にい様、にい様」ってついてきたもんだ。靫はほぼ魂が有栖川靫だ。あの女だけは許せない』
『母上のした事はボクもお詫びします。お母さんの舞子さんのことでしょ?』
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