最終決戦・黄泉へ

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今日は朔の日。魔の力が弱まる。魔物の活動もあまりないか、鈍い。 出来るだけ体力の消耗は避けたい。他の魔物にかまっている暇はない。 七夜、有栖の魂を胸に地下の地獄門へ。 「いよいよだな!」 「ああ、心の整理は出来たか?」 「もちろん、有栖を取り戻すためなら何でもする」 「靫や黒兎を殺しても有栖を取り戻す。その位の覚悟が必要だ」 「ああ、分ってる」 「扉を開くぞ」 七夜は持っていた杖をデスサイズに変えた。真近で見ると余計迫力が増す。  デスサイズを振りかざすと呪文を唱え始めた。蠢いて生者を捕まえようとしていた死者の魂がおとなしくなる。 「開くぞ」 七夜が扉を引いた。中が見えてくる。深い霧に包まれて5m先まで見えない。 「道は狭い。落ちたら死霊の餌になるぞ。奴ら器(身体)が欲しいからな」 少し行くと少し丸く円形上に突き出したところがあった。 「ここで行き止まりだ、ここで奴を待とう」 「七夜さんは、天照としての有栖が欲しいんですか?有栖本人ですか?」 胸ポケットに有栖がいるのをすっかり忘れて矢継ぎ早に問いかけた。 「能力もひっくるめて全部だ」 「俺は能力はいらない。身体と心さえあれば」 「だってよ、有栖。愛されてるな」 あっ!この時点で有栖の魂がいる事に気がつく。 「ごめん、また怒られるな」 そんな話をしていると向こうから一つの影が近付いてくる。靫だ。 下の群がってくる死霊の手や頭を祓いながら一人で渡ってくる。
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