天使か悪魔か

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「『月読』って知ってる?夜をつかさどる神。 イザナギ(伊邪那岐)とイザナミ(伊邪那美)の子供は三人いてね、天照・月読・須佐之男だ。  天照は太陽神で神器は八咫鏡、須佐之男は天叢雲剣、月読は何もない。天照のただの影だ。天照がいるからこそ輝く月の如し。いわゆる影だ。光が強いほど影は暗く漆黒の闇になる。月読は黄泉の国を統治し、闇をほの暗く照らすもの。  私はね・・・生れた時から有栖の影になる為に生きてきた。父は私を愛した事はないよ。いつも有栖、有栖だった」 顔色が紅潮してくる・・・怒りを抑えて話しているが顔は抑えきれない様子だ。 「でも母の事は愛していたよ。それが靫様の気に入らなかった点だ。靫様も全く父を愛してはいないが、他の女に愛情があると思うと気に入らないんだろうね・・・ほんと女って分からないよ」 「でも胡蝶と寝てたでしょ?」 「何でわかるの?すごいね十六夜くん」 「俺もあのばばあに童貞奪われましたから。100年生きるのに霊力が必要だから、神なる力のある者に近づくはずです」 「感服したよ・・・十六夜くんを舐めてたようだ。その通り、私も使えるヤツだと思って寝てたよ。実際いろいろな情報を貰えた」 ふふふっと含み笑いをした
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