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「あいつらは柚木家を日本の天子にすべく動いている集団組織だ。いつまでたっても傲慢で忌々しい奴らだ」
「代表は4人。この4人を倒したら君たちの戦いが終わるのかもな」
「今、有栖がいないのも知っているんですか?」
「ああ、もちろん。私は有栖の影なんだよ。有栖の事ならみんな分かる。どうやって君に抱かれて啼くのか、黒兎に抱かれて悦楽の時を過ごすのか」
ガタッ!イスをブッ倒して七夜を殴っていた。
「イザくん!」
「ムカつく!なら有栖が閉じ込められているのも知っているだろう?なぜ救わないんだ?」
「それは君の役目だろう?私は知った事じゃない」
「愛しているから、何でも知っているわけじゃないんだよ」
頬を腫らした七夜の眼に怪しい光が宿っていた。
「私の野望は君たちのせいで頓挫したし、もう目的も無い。
有栖でも靫でも関係ない。光がいる以上闇は家畜のように使われるだけ、とりわけ天照の完全体だ・・・光の強さは半端ない」
「一つ聞いていいですか?有栖が先代を殺したのは本当ですか?」
「鋭いね、十六夜くん。有栖確かに父の霊力を渡す為性行為をした。
嫌がる有栖を羽交い絞めにしたのはこの私。これは私でも目を覆いたくなるようなものだったよ。
でもそれは一度で良かったんだ。なのに・・・あの獣、有栖の身体に溺れて・・・それを押さえ付け係として見せつけられる私の身にもなってくれよ。私もまだ10代だったんだ。
人間の欲望って恐ろしいと思ったよ。あのオヤジ1週間は有栖を抱き続けたよ。
寝てる時に殺してやった・・・・僕の鎌で」
「それで、それを有栖がやったって有栖本人にはいったんだな!」
「ああ・・・本人も一種のトリップ状態だったからあまり記憶がなくてね。有栖がやったことにした。本人も腑に落ちるし・・・有栖がダメージを受けるところが見たかったからね」
「お前っ!」
七夜の胸倉を掴んだ手を白兎に拒まれた。
「イザくん落ち着いて」
「でも有栖が傷つけばいいくらいだったのに思いのほか傷ついていて・・・自分の中に靫を作りやがった」
七夜の表情は忌々しいといった風だった。
「何もかも思い通りにはいかなかったんですね」
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