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「……気絶した人を殴るのは趣味がいいんだ?」
二発目は肩だった。月が慌てて黒架の肩に手をやって止めに掛かる。小学生を抑え込むお姉さんという感じで、思わずその光景に――主にお姉さんの方に――視線が釘つげになる。
「気のせいか、すごく屈辱的な視線を向けられてる気がするわ」
玄架の言葉には気のせいか、凄まじい呪いが込められている気がした。
「苑樹? 降ろしていいか?」
「あ、敬語止めたんだ」
「……さっきの話全部聞いてたんだよな?」
思わず苦笑が漏れる。これはからかい甲斐があるかもしれないとか思ったのは内緒だ。
「で、呪いってのは何かな?」
話の流れをぶった切っておいて、それは無いだろうと我ながら思うが、気になってしまったんだから仕方ない。
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