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「もしかして、会社のみんなも社長とお姉ちゃんのことを気づいてますか?」
公認のふたりの間で騒いでいたとしたら、バカみたいだね、わたし。
「さすがにみんなは気づいてないだろう。如月秘書を氷の女王だなんて言ってるぐらいだし」
その言い方って……。
「神崎さんは、お姉ちゃんのことを冷たいって思ってないんですか?」
「うん。だって、如月さんのことをいつも気にして見てるよ、お姉さん。優しそうに目元が笑ってる時もあるし、情の深い人なんだなぁって伝わってくる。そもそも如月さんのお姉さんが冷たい人なわけないでしょ」
わぁ、なんか胸がきゅんきゅんする。
お姉ちゃんのことをわかってくれて嬉しい。
わたしまで褒められちゃったみたいで嬉しい。
やっぱりわたし、神崎さんのこと大好き。
そんなわたしの心を見抜いたのか、神崎さんはゆったりと微笑んで、「……そろそろ行こっか」と手を取った。
「はい……」
繋がれた手が温かくてどきどきした。
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