最終話 チョコより甘いキスをして!

13/24
前へ
/24ページ
次へ
「こっち」 「あ、はい」  再び手を引かれ手前の扉が開かれる。  ぱちんと音がして、間接照明がつけられた。  オレンジの淡い光が部屋を優しく照らす。  家具はチョコレート色で統一されていた。  正面には背丈の低いチェスト。  サイドテーブルと、真ん中には大きめの寝心地のよさそうなベッドが横たわっている。  月明りが差し込む窓にはレースのカーテンが掛けられ、その向こうには夜景が見えた。 「海はリビングからしか見えないんだけどね」  神崎さんが、窓辺によってカーテンを閉めた。  空間が閉ざされたようで、緊張する。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

458人が本棚に入れています
本棚に追加