最終話 チョコより甘いキスをして!

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「そういえば、どうして神崎さんってわたしのことを如月さんって呼ぶんですか?」  ずっと聞いてみたかったこと。  その呼び方が嬉しかったことは本当。  いつもお姉ちゃんの付属品だったわたし。  そうじゃなくて、ちゃんとわたしを見てもらえているような気がしたから。 「……深愛、って呼んでほしい?」  まっすぐに見据えられ、甘い調子で囁かれて、わたしの体が一気に高熱を発する。  わぁぁ。他の人に呼ばれるのと全然違う。 「そ、そういうことではなくて。あの、他の人はみんな、深愛さんって呼ぶのに……」 「普通、同僚を名前で呼んだりしないよ」  やっぱりそうだ。尊重してくれることが嬉しい。 「まぁ、みんなには如月秘書のイメージが強すぎるんだろうけどね」  そうだよね。  みんなに悪気がないのもわかっている。  ただ、神崎さんがわかってくれればそれで十分なの。
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