永遠とメガネ

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それからは無言で仕事をこなし、ひたすら早く帰ることだけを考えていた。 聞きたいことは山程ある。 先輩達の誘いも断って、どっちにしろそう見えなくても18歳が居酒屋なんかに行くのは良くないし、自転車に跨がって家に向かって猛ダッシュ。 息を切らしてリビングに駆け込めば、テレビを見ながら寛いでいる兄貴が、驚いたように顔を上げた。 「愛美ちゃんならいないぞ」 「は? なんで……」 びっくりしていると、ニヤリと口角を上げて兄貴が笑っている。 「手が早い弟を持つと大変だよ全く……」 むしろ面白がっている様にしか見えないんだけど。 「なんで知ってんの?」 .
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