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元々料理は好きで、母の手伝いをよくしていた。
料理が上手な母のお陰で、同級生の女子にだって負けない。
その反動でか、海翔はキッチンに立つことはなかった。
万が一あっても、あの破壊的センスは治らなかったかもしれないけど。
放課後、いつものようにバイト先に向かう。
自転車に跨がって風を切りながら走る。
最後の交差点を右に曲がろうとした所で、急に飛び出してきた何かに驚いて、ハンドルを左に切ってかわしたが、バランスを崩して転倒してしまった。
「いって~!」
「ごめんなさい」
飛び出してきた張本人が駆け寄ってきた。
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