永遠とメガネ

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「急に飛び出すなよ! 危ないだろ? 車来てたら俺引かれてるし」 自分で言っておいて、車に引かれる所を想像してしまい、一瞬で青くなる。 「本当にごめんなさい」 その少女を見ると、今にも泣きそうに動揺している。 「大したことないからもういいよ。君は怪我してない?」 本当はもっと文句を言ってやろうと思っていたのに、あまりに可愛くて思わず強がる。 男の性って奴。 「血が出てるじゃない」 半袖から伸びた腕に、派手に擦りむいたあとが広がり、ジンワリと血が滲んでいる。 申し訳なさそうに、ハンカチを取り出して拭こうとする少女の手を掴み、それを止めた。 .
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