【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

13/28

2619人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
  悔しいけど、長瀬の言う通り、だ。 疲れてる。 ビール飲みたい。 お腹もすいた。 スッキリしたい。 仕事の話、聞いてほしい。 あまりに優しい不意打ちに、危うく涙が出そうになった。 それに気付かれたくなくて、唇を噛み締めて小さく頷き、長瀬の手から逃れる。 「……お風呂、入ってくる」 「ん、そーしろ」 身を翻して調理へと戻る長瀬。 その背中を見て、さっきまで疲れでトゲトゲしていた心が、丸くなるのを感じた。 .
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2619人が本棚に入れています
本棚に追加