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「その元気がありゃ大丈夫だよ、お前は」
そう言って、優しい手つきで頭を撫でてくれる。
洗い立ての髪に触れるそのぬくもりは、何だか安心する。
どうしてだろう、今日の長瀬はいつもと違う。
いたわってくれる声も。
優しく触れる手も。
包み込むような空気も。
全部、私が今、一番必要なものだと思えてくる。
相手は長瀬なのに。
私を災難に導く、悪魔なのに。
なのに、今日、この時間は。
長瀬が傍にいてくれることで、私は救われている。
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