【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

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  私の質問に、「んー」と少し考える素振りを見せた長瀬。 こくり、お酒を飲み込んでから、私に向き直った。 「なーんか、煮詰まってそうだったから。会社で聞いたって弱音なんて絶対吐かねーだろ、羽村は。ちょっと気になったんだよ」 そう言って、わしわしと、私の頭を乱した。 その表情は、ちょっと悪戯っぽくて、でもすごく優しくて、どうしていいかわからなくなるくらい。 「……ありがと」 自然と溢れた感謝の言葉に、長瀬は一瞬驚いた顔を見せた。 けれどすぐに、また笑ってくれた。 その柔らかい笑みに、胸のトゲは融けて消えた。 .
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