【第7話】近付く彼と、遠のくキミ

19/28

2619人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
  翌日。 すっかりリフレッシュした気分で出社すると、長瀬はすでに席で作業を始めていた。 集中して仕事に取り組む時に使う、ヘッドホンを装着している。 私は、邪魔しちゃ悪い、とそっと鞄を下ろし、静かに椅子を引いた。 が、長瀬は私に気付くと、ヘッドホンを外してこちらを向いた。 「よう。ゆっくり寝たか?」 「……おかげさまで」 「ん、なら良かった」 それだけ言うと、またMacへと向き直る。 画面には、つい昨日までは形も見えていなかった広告が、いまにも完成しそうな状態にまで作り込まれていた。 さすが、長瀬サマ、だわ。 妙に感心して、席に着く。 机に貼られたメモに目を通し、いつも通り、仕事に取りかかった。 .
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2619人が本棚に入れています
本棚に追加